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NERV最高司令官である父ゲンドウから３年ぶりに呼び出され、詳しい説明もないままエヴァンゲリオン:初号機に乗り、謎の生命体である第4の使徒の攻撃に出動を命令されます。

突然の事に拒否をしていると、重傷を負った零号機のパイロット:綾波レイを出動させようとします。それを見たシンジは覚悟を決め、ヱヴァンゲリヲンで出ていきます。

しかし手も足も出ず、頭部への攻撃をもって通信が途絶え、生死不明となり脱出用のエントリープラグも外せなくなります。

しかしそこからヱヴァンゲリヲンの暴走が始まり、使途を倒すのでした。その後も訓練を続けるシンジでしたが、また第5の使途が現れシンジは出動しますが、それをこっそり見に来ていた同級生らに気づきコックピットに保護し、ミサとは帰還を支持します。

しかしシンジはそれを無視し使途に立ち向かっていきます。ぎりぎり倒す事が出来たのですが、ヱヴァに乗ることを強制されていると愚痴るシンジは、ミサトに怒られ更には「エヴァに乗るかどうかは自分で決めなさい」と言われてしまいます。

裏でシンジの父ゲンドウは、シンジやレイの事は14年前から仕込まれていた事、今のシンジの行動も計画通りに進んでいると言っています。

以前、零号機の実験中に危機的状況に陥ったレイを、ゲンドウは必死に助けに向かいます。シンジは自分には冷徹な父が、レイとは笑顔を見せるのを疑問に思うのでした。また街には第6の使途が現れ、初号機でシンジは対戦しますが攻撃され危険な状態になりますが、ゲンドウは助けようとはしません。

仕方なくミサトはエヴァごと地下に強制収容するのでした。そして使途は地下のNERV本部を攻撃しようと、掘削を始めるのでした。

ミサトは大出力陽電子自走砲をエヴァに撃たせる「ヤシマ作戦」の行動を起こしていました。しかし、シンジは恐怖心から拒否します。

ミサトは地下深くの秘密をシンジに見せ、NERVみんながサードインパクトを阻止しようと必死になっていると説明します。シンジは、エヴァに乗ることを決心して、レイも零号機でホローしつつ、激戦の末なんとか使途に勝つのでした。

シンジ自体、多くの説明もないまま戦闘に駆り出されているし、相変わらず自分には関心のなさそうな父の冷たい態度と、レイには違う表情を見せている父親の様子に、観ていてとても不憫でした。

普段はおどおどしている弱い感じのシンジですが、いざとなったらすごい集中力を発揮する所は迫力がありました。

そしてこの作品全体としては、いい意味で”不親切な作品”だと思いました。例えるなら宇宙での恒星を調べる時に何百という層を調べていくのに似ていると思います。

先ずは見えているエヴァの動きや使途との戦闘シーン、登場人物の性格などを理解しそれだけでも楽しめます。しかし次には、聞きなれない”ATシールド”や”L.C.L.”とは？と機器類の名前に興味が出てきます。

さらに”使途”とは？”なぜ地球にやってきているの？””リリスとは何もの？”と次の段階に興味が進んでいきます。

そうして徐々に内部へと研究が突き進み、核となる”ゲンドウの一番の思惑”とは何か？にまで到着できるまでには沢山の層で彩られている気がします。その一筋縄でいかない所が、熱いファンのいる1つの要因だと思いました。

北極のNERV基地で、第3使徒が暴れ出し、マリが載るエヴァンゲリオン仮設5号機が自爆してなんとか使途をやっつける事ができました。

マリは緊急脱出して助かりました。変わって父親のゲンドウとシンジは、母のユイの墓参りに行っています。迎えに来た葛城ミサトの車で帰宅途中に、第7使徒とアスカの乗るエヴァンゲリオン2号機との闘いを見ます。

使徒をやっつけたアスカは、日本に来てシンジと同じ中学に通い、ミサトの家に同居するのでした。NERV主席監察官の加持も日本に帰国、ゲンドウらに会い”人類補完計画”に絡む『ネブカドネザルの鍵』を渡すのでした。

その後、ゲンドウと冬月はSEELEの月面基地に行っています。そんな時に衛星軌道上に第8使徒が出現し、NERV本部への落下攻撃が始まります。指揮権を持つミサトは、シンジ・レイ・アスカに3機で使徒を受け止めるよう指示を出します。

それぞれが力を合わせ、迎撃に成功します。この事で、シンジはゲンドウに生まれて初めて褒められ、アスカもシンジの事を認めるようになっていきます。そして、アメリカで開発されていた3号機が移送されてきて、アスカがテストパイロットとして搭乗します。

しかしそこには使途が侵入していて、ゲンドウはシンジの初号機を出撃させます。シンジはアスカが乗っている事を知り攻撃を拒否します。ゲンドウは初号機を無人操縦システムに切り替え、強制的に攻撃させます。

結果、使徒のコアとアスカのエントリープラグごと噛み砕いてしまいました。アスカはなんとか助かったものの、使徒による精神汚染が疑われ隔離されることになりました。シンジはエヴァをもう乗らないと宣言し、ミサトの家を出ます。しかしその後、強大な力を持つ第10使途が現れます。マリが2号機で出撃しますが歯が立ちません。

レイが零号機で立ち向かいますが、捕食されてしまいます。使途は零号機と同化してしまい、リリスにまでたどり着けられるようになってしまったとミサトは恐怖します。これを見たシンジは初号機に乗り込みます。

いったんは地表にまで戻せたものの零号機は電源が切れてしまい、攻撃されてしまいます。もうダメかと思った時、シンジの叫びで再びエヴァは動き出し”神に近いもの”へと変化して使徒を倒し、その中からレイを救い出します。

しかしその時、世界を終わらそうするサードインパクトも起ころうとしていました。そこへ突然空から槍が飛んできてエヴァを貫き、サードインパクトは止まりました。月にた渚カヲルのヱヴァンゲリオンMark.06の仕業でした。

赤く染まった海、使徒の幾何学模様の様な形態変化、攻撃された後に残る光る十字架と、独特な世界観が素敵です。

今回は、シンジとゲンドウのユイのお墓参りのシーンや、レイやアスカ達との学校生活など、人間的な交流のシーンが多かったのが新鮮でした。ついに冷たい父から褒められるという、シンジにとっては最大限に嬉しい出来事だったのではないでしょうか。

しかし、何故に息子に対してああも冷たくあしらえるのでしょうか？これだけは全く理解できません。そしてシンジに向かって「自分の願望は、あらゆる犠牲を払い自分の力で実現させるものだ。」と言い放つシーンでは、ゲンドウ自身の固い決意みたいなものを感じられ、『これが全ての原動力となっているのかな』と思いました。

エヴァンゲリオンはそれだけでも迫力があるのに、変態もするのかとビックリしました。あと、最後にサードインパクトが起こりそうだったのを突然現れて止めた渚カヲルの存在とは？まだまだ謎が多く目が離せません。

前回のニアサードインパクトから１４年が経っていました。

アスカとマリは、十字架型の黒い立方体の中にネルフが封印していた初号機/シンジを奪還していきます。シンジが目を覚ますと、ミサトも居ましたが雰囲気がガラリと変わっていました。シンジの首には”DSSチョーカー”を取り付けます。

ニアサードインパクトを起こしたシンジを警戒しての装置でした。ミサトらは反ネルフである「ヴィレ」という新組織を作っていて、シンジが目覚めたのもヴィレの戦闘用の巨大飛行戦艦「AAAヴンダー」内でした。

何が何だか分からないシンジにアスカは、すでに１４年経っている事を告げます。そして突然「エヴァンゲリオンMark.09」が攻撃してきて、綾波レイの自分を探す声を聞き、それに乗り込んでシンジはヴンダーから離れて行ってしまいます。そしてネルフ本部に到着すると、渚カヲルが居ました。

父親のゲンドウとも会いますが、ただエヴァ13号機に二人で乗るように言うだけでした。空白の１４年間の出来事をカヲルから聞き、愕然とします。さらに副司令の冬月からシンジの母ユイは、初号機の制御システムとなっていて、「綾波レイ」はユイのクローンだと知らされます。

カヲルはシンジに、セントラルドグマ最深部にある「カシウス」と「ロンギヌス」の2本の槍を取ってしまえば、フォースインパクトが起こせなくなり、それらとエヴァ13号機をあわせば世界を元通りに修復できると言います。

シンジとカヲルは行動を起こしに最深部へ向かいますが、そこで行動を察知したアスカとマリが阻止を試み攻撃してきます。

ここでカヲルは槍の形状が２本とも同じな事に疑問を持ち、シンジを止めようとしますが槍を抜いてしまいます。これはエヴァを覚醒させ、フォースインパクトを引き起こすためのキーだったのです。

ガフの扉が開き、全てが崩壊して吸い寄せられていきます。シンジの首から移した、カヲルの首に装着していたDSSチョーカーが起動して、カヲルは死にます。

13号機の覚醒は止まったものの、ガフの扉は閉じません。シンジがまだ入っている事が原因だと気づき、マリは必死でエントリープラグを強制排出、そしてフォースインパクトが収束しました。

相変わらず使徒などと戦う映像は、幾何学模様を取り入れたようなハイセンスな感じが素晴らしく、それに伴って金切声の様な叫びと、ヘヴィな音楽にゾクゾクしています。

ストーリーは、シンジは目覚めたものの周りは冷たく口を閉ざし、今の状態になっている説明をして貰えない所は可哀そうでした。

しかし、ミサトはヴンダーから逃げていくシンジの首のチョーカーの爆破スイッチを押せなかったのは、冷たい態度とは裏腹に冷たくしきれなかったミサトの心をよく現わしていると思いました。

ゲンゾウを見ているとユイに固執しているようで、しかしそっくりなクローンのレイには自分の駒として命令している様で、そこは割り切っているのでしょうか、もしかして彼女との、使途が攻撃してくる前の幸せな世界を復元したく動いているのか？その為には今の人類などの犠牲は、致し方ないと考えているのか？と妄想が止まりません。

そのゲンゾウと、シンジがレイに固執している所や、自分がこうしようと思い込んだら聞く耳を持たないシンジの性格など、やはり親子よく似ているなと思いました。ゲンゾウのこれからの計画がどう進むのか、今後も興味深く観ていきたい作品です。