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世津（有村架純）は戦争の建物疎開のせいで家を失い、幼なじみの修（柳楽優弥）の家に祖父と身を寄せます。
修と修の母（田中裕子）は家族のように接してくれる優しい人達です。

修は、京都大学の物理学研究室で核エネルギーの実験をし、忙しく過ごしていました。
ある日、軍人で戦地にいた修の弟・裕之（三浦春馬）が、肺を患い一時的に戻ってきました。
裕之は、家に世津が居たので、兄と世津が結婚したと勘違いします。

修は、実験バカと言われるほど実験となるとのめり込む性格。
ある日、核エネルギーに使用するウランを探しに修は、陶芸家を訪ねます。
今では陶芸にウランで色を付けることもなくなり、さらにウランはお金になるので修は歓迎されていました。

しかし、どんどん戦局は悪化。
研究室の仲間達は、核エネルギーの実験に疑問を持つようになっていくのでした。

久しぶりに陶芸家の元にウランを取りに行くとそこの娘が亡くなっていました。ウランを集めるために大阪に行きそこで爆撃にあったのでした。
修は、自分を責めます。

ある日、修の母が気を使い、修、裕之、世津に羽を伸ばすようにと出かけることを許します。

海で楽しく過ごす帰り道、バスのエンジントラブルにより野宿する羽目になる三人。
夜中に目を覚ますと裕之の姿が見当たらず、修と世津は裕之を探しに行きます。
海で裕之を見つけましたが、裕之は海に入って行くのでした。
力づくで止める修のおかげで裕之の自殺は未遂で済みました。
裕之は、また戦地に戻らなくてはならない為に、自分だけ死なないわけにもいかずけれど「死ぬのが怖い」と怯えていたのでした。
世津は、裕之と修を強く抱き寄せました。

裕之は修に世津を頼むとお願いしますが、世津は戦争が終わったら教師になると強く宣言するのでした。
戦後のことを考えている世津に驚く二人でしたが、世津は、裕之には無事で帰ってくること、修には実験を頑張ることを誓わせます。
そして未来の話をたくさんしようと希望を持つのでした。

翌朝、戦地に戻る裕之に世津はお守りを持たせました。
しかし、裕之は戦死してしまいます。

広島に原爆が落とされ、修達研究者は、変わり果てた広島に愕然とします。
しかし、修は調査をやめようとは思いませんでした。

広島の次は、京都に原爆が落とされるという噂があります。
母と世津には避難するように修は伝えますが、修は原爆が落ちる所を研究者として山から見て確かめると言うのです。

子供の頃から頭が良かった修は、軍人にならず代わりに軍人になった裕之は戦死してしまいました。
どんな時も味方でいてくれた母は、怒りの感情をあらわにし、自分は避難しないで修を見届けるというのでした。

そして、修は山に入って行きました。

見ている方は、戦争の歴史を知っているのであまり細かく伝えない作りになっているドラマです。
しかし、柳楽優弥さん、有村架純さん、三浦春馬さんの演技力によって説得力を増しています。

おとなしい性格の修のとりえは物理学。
実験バカと言われるほどのめり込んでいる様子が、ラストのシーンに生かされています。
原爆投下を見届けると山に入る修は、狂っているようにも、自分のやったことを戒めるようにも、日本の未来を考えているようにも見えます。
どう感じとっても良いのでしょう。

そして、京都には原爆が投下されなかったと知っているので、その後修が未来を歩めるか心配になります。
しかし、裕之が居なくなった今、世津は修のお嫁さんになってくれるでしょうから世津の強さが修を支えてくれるに違いないと思えます。

世津は、修と裕之本当はどちらを好きだったのか、世津の視点でドラマを観てみたいとも思いました。

そして、出演シーンが短いにも関わらず田中裕子さん演じる修の母が、戦争の恐ろしさを演技力で語っていました。
分け隔てなく兄弟を育てたけれど、お国のために頑張っていた裕之が亡くなり理不尽さを隠せない母。
しかし、修の手前あまり態度に出していません。
しかし、原爆投下を見に行くという修に対して静かな怒りと責任を感じているのが分かります。
結果、生き残る親子にわだかまりが残らなければいいと願います。